会えない距離を縮めたい
新型コロナウイルスの影響は様々なところで出ていますが、高齢者施設でも当然のように感染防止の策が取られています。その中でもご利用者様、ご家族様に大きなご負担を与えているものが「面会の中止」です。下関市内の入院設備のある病院や、同じような高齢者施設も同様に面会中止の対応をとっている所が殆どであるなか、当法人の3つの特養の入る建物でも2月から不要不急のご面会を中止させて頂いています。
会えないからこそお互い相手を心配する日々。辛く、寂しい想いをされていることが容易に想像できます。会わせてあげたいけれども、会わせてあげられないジレンマの中、数週間が経った頃、私たちにできる事は何かないか、施設の職員が集まり話し合いを行いました。その結果3月22日よりiPadを用いた「リモート面会」をそれぞれの特養で始めています。幸いなことに、私たちの法人では介護の記録をiPadで行っている事から沢山のiPadとネット(Wi-fi)環境があります。そのメリット用いて週に1回日曜日の午後のみですが「リモート面会」を行い、既に本日で8週目(8回目)の日曜日を迎えました。ご利用には事前に予約して頂くのですが、毎回多くの方にご利用いただいています。
会話は些細なものであったりしますが、多くの方が「久しぶり」「元気にしてたか?」「ご飯は食べているか?」など相手を思いやる気持ちが沢山あふれています。画面越しの面会ではありますが、ご家族様にしかできないご利用者様への心のケアが十分に効果を発揮しているのは間違いありません。
私たちとしては、こんな形でしか面会の許可が出せないのが大変申し訳なく心苦しいですが、この難局を何とかどんな形であっても乗り切り、いつかご利用者様ご家族様がお互い触れ合える距離で会話ができるのを待ちたいと思います。それまでどうか皆様ご協力宜しくお願い致します。
特別養護老人ホーム 主任生活相談員 高下康司