心に寄り添うことで見えた
本当の気持ち。
エピソード
2
100歳の
Birthday
99歳の女性、B様。
開設当初から当施設で過ごされており、
いつも笑顔を絶やさず
周囲を和ませてくれる方でした。
食事があまり食べられない日が続くようになり、徐々に体力や活気も落ち
ベッドで過ごすことが多くなっていました。
ご家族も毎日面会に来られては、
話しかけたり触れたりされていましたが、
B様からの反応は少なく、
返事をすることもない状態を見て
「あと1年で100歳になるのにね…
もう少し頑張れないかな」と
話をされていました。
医師と多職種の判断で看取りケアに移行となり、
医師からは余命1カ月の診断が出ました。
1ヶ月ほど経ったある日、
車いすに乗ったB様と食堂の前を通りかかると、
他ご利用者様と職員が、
音楽に合わせて体操をしていました。
ふとB様を見ると、音楽に合わせて手を動かし、
表情も少し笑顔になっているように見えました。
「今日は調子がいいのかもしれない」
そう思い、
食べやすそうなおやつを口に入れてみると、
いつもは少ししか食べられないB様が、
全部食べることができたのです。
この日から少しずつ食事を勧めてみると、
徐々に活気が見られるようになりました。
職員やご家族様の声掛けにも
返事ができるようになり、
その回復ぶりに
職員もご家族様も私自身も驚くばかりでした。
その後、
体調が良くなったり悪くなったりを
繰り返しましたが、
無事100歳のお誕生日を迎えることができ、
職員やご家族の皆でお祝いすることができました。
再度体調が悪化し、
施設で最期を過ごされ、
ご家族様からは感謝の言葉をいただきましたが、
私は複雑な気持ちでした。
看取りケアに入った当初、
諦めの気持ちが強く
自分にはどうしようもないと思っていました。
でも、B様は最後まで生きようとすることを
諦めてはいなかったのではないかと思います。
体調不良から復活し、
笑顔をみせてくださった
B様の生命力の強さを
知るきっかけになりました。
まだまだ分からないことも多いですが、
自分にできることは
可能な限り最後までやり抜こうと思います。
そして一緒に働いている職員やご利用者様、
ご家族様と共に頑張っていこうと思っています。
エピソードスタッフ
K.Y.(介護職員 / 特別養護老人ホーム)
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