心に寄り添うことで見えた
本当の気持ち。
エピソード
4
伝わる愛
「自宅では頑固でした」と
入所された際に奥様が言われていた通り
M様は施設でも頑固でした。
食事は好き嫌いが多く、
奥様の食事以外施設の食事はほとんど口にしない。気に入らない事には不機嫌そうに応え、時に怒る。
一つひとつのお声掛けや介助に職員も
気を使いながら関わらせて頂いていましたが、
そんなM様もご高齢で
回復の見込みの少ない病気となり、
ご本人様、ご家族との
カンファレンスを行った結果、
施設で最期を看取ることとなりました。
食欲もない為点滴で過ごす中、
世間ではちょうど
新型コロナウイルス感染症がまん延しだし、
施設はご家族の面会ができない状態となりました。今では看取り期のご家族だけは
看取り期であっても
短時間面会を許可していますが、
当時はこの得体のしれないウイルスに対する
対応方法が分からず
「全てシャットアウト」の状態。
看取り期に入ったご利用者様の面会も
すんなりと許可が出せずにいました。
次第に元気の無くなるM様を
何とか元気づけたい。
心配されている奥様の気持ちを思うと
何とかしてあげたい。
多職種によるカンファレンスを開き、
短時間の面会を許可することができました。
久しぶりに会われる奥様はもちろん、
あの頑固なM様の目に涙。
面会を再開することが叶って良かったと
職員みんなで喜びました。
食事を食べられない日が続いていましたが、
奥様の手料理だけは少しですが
食べることができました。
そこから毎日です。
奥様がご自宅で作ったレパートリーに富む
おいしそうな手料理が施設に届きました。
しかも、温かいものは温かいまま、
冷たいものは冷たいままで。
M様は、恥ずかしさからか
何も言わず口にされていましたが、
きっと奥様に対して
「おいしい」「ありがとう」と
思っていたと思います。
奥様の献身的な姿、愛情に負けないよう
私たちも精いっぱい
ご利用者様を最期までお世話させて頂こうと
話をしました。
私たちが行うお世話は仕事です。
ですが、そこに愛があるか無いかで
その質は違います。
常に愛をもって
ご利用者様と接していきたいと思います。
エピソードスタッフ
K.T.(看護職員 / 特別養護老人ホーム)
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