“思いが伝わる指示の出し方を習得しよう”〜効果抜群な4つの方法〜
職員間で、しっかりと連携を図りながら業務に携わっていく上で、必ず心にとめておきたいコミュニケーションの大原則があると言われています。それは、「思いや指示は単に伝えるだけでは伝わらない。伝わるよう工夫しなければならない。大切なことが伝わることで、行動に結びつくよう工夫しなければならない。」という原則です。
さて、普段の私たち自身を振り返ってみて、どうでしょうか。「はい、分かりました」と元気よく答える職員に、分かりやすく具体的な指示やアドバイスを出していたでしょうか。
指示をだされた職員や、部下の立場から言えば、上司やリーダー、他職員から出された指示が曖昧で分かりにくいものであっても、「すみません。わかりません。」とは言いづらいこともあるのではないでしょうか。
本当はよく理解できなかったのに、「分かりました。」と答えてしまった。結果的に指示通りの仕事(あるいは求められるレベルの仕事、期待されていた仕事)ができずに、同僚や他部署職員等からの評価が下がってしまったり、それと同時に、利用者様からの評判が下がってしまったという状況に陥ってしまうケースが、少なからず起こりえてしまうことも、時にあるのではないかと考えられます。
もし「分かりやすく伝える工夫が足りなかった」というのであれば、今後は今後は①「何を」、②「いつからいつまでに」、③「どこまで」、④「どのような方法でやってほしいか」を意識しながら、落ち着いて、ゆっくりと思いを伝えるようにしてみましょう。
(→ ①~④の具体的方法については、以下の内容を、ご覧になられてみて下さい)
①「何を」②「いつからいつまでに」③「どこまで」④「どのような方法でやってほしいのか」を意識しながら、思いを伝えるようにしてみましょう。
1. 「何を」
あなたが他者に伝えたい事柄です。思いや指示を伝える根幹の部分です。この「何を」の部分を示す際に最も重要なのは、抽象的な表現を避けることです。誰が聞いても、具体的に何をしてほしいのか分かるよう工夫しながら示すようにします。人と人が相互理解を目指すコミュニケーションにおいて最も重要なのは、「伝えたから伝わるとは限らない。相手の理解力、認識力などを踏まえ、伝わるよう努力しなければならない」という大原則です。つまり、相手の立場に立ち、理解してもらえるようかみ砕き、伝えようとする姿勢が必要となるのです。
2. 「いつからいつまでに」
いわば、スケジュールの設定です。スケジュールを示せば、指示を受けても行動せずに終わる、先送りにして終わるなどといった事態を抑止できます。
3. 「どこまで」
何をどこまでやってほしいのか、達成すべきゴールを示します。例えば、「○○さんの個別支援計画に盛り込むべき支援目標を、明後日の午前中までに箇条書きにして書いてきて下さい。」といったイメージです。ゴールが見えれば、どこまでやればいいのか確認できます。上司が求める期待のレベルを見誤らずにすみます。
4. 「どのような方法でやってほしいのか」
常に事細かな指示を出すとは限りません。ある程度の経験年数がある部下に対しては、方向性を示した後に、「具体的にどのような方法で取り組むか原案を作成し、見せに来て下さい」と指示するようにしましょう。そうすれば、上司に頼りっぱなしではなく、自分の力で考える習慣を身につけさせることができます。真の意味での人材育成に繋げられます。
私自身も、今一度、上記にある4つのポイントを意識しながら、あらためて日々の業務に携わっていきたいと思います。
特別養護老人ホーム アイユウの苑 生活相談員 稲田 智明