不自由さが大事です
私の主人は、頚髄損傷で四肢麻痺があります。現在、両松葉杖を使って歩行できるようになりましたが、体幹が弱い為に、転倒のリスクがあります。
先日も、ふらふらして、こけそうになったことから、ケアマネージャーさんに相談すると、歩行器を使用してはどうかと提案されました。
本人は、「いやー、前に病院で使ったけど、今は杖になったからね」と言っていたのですが、私が、せっかく提案してくれたので、使ってみようと説明し、福祉用具さんに依頼を頼みました。
後日、福祉用具の方が自宅に新品の歩行器をデモとして使ってくださいと持ってこられました。しかし、主人はなかなか手に取ろうとしません。
そして、福祉用具の方に、「これは、病院ですでに卒業したものだからね。それよりも、普通の杖で今練習しているから、それが欲しい」と話していました。
私は、心配のあまり、「転倒してはいけない」と、主人の能力を評価せず、せっかく出来ていることを後退させてしまっていたんだと反省しました。
「こけても大丈夫。少しずつ前に進まんと」という主人には、いつも、頭が下がります。
以前、主人の主治医の先生から、「不自由さが大事なのです。不自由だとどうすれば上手くいくか考えるから」と言われたことあります。
本当にそのとおりだと思いました。失敗してはいけないと、過保護になることは、自立の妨げになるのだなと改めて反省しました。
お父さん、ごめんね。
アイユウの苑訪問看護サービス 管理者 岡田 千恵子